まず還付の意味から解説します。
営業保証金の還付とは、宅建業者と取引をした者が、その取引によって損害を被った場合に、宅建業者が供託した営業保証金から、弁済してもらうことをいいます。
では、①誰が、②いくら、③どんな手続きによって還付を受けることができるのでしょうか。
また、還付をすることによって生じた営業保証金の不足に対する、補充手続きはどのようなものなのでしょうか。
①誰が還付をうけることができるのか
営業保証金から還付を受けることのできる人は、宅建業者と宅建業に関し取引をした者で、その取引により生じた債権を有する者です。
したがって、たとえ宅建業者に対して債権を有していても、取引により生じた債権でなければ、営業保証金から還付を受けることはできません。
②いくら、還付を受けることができるのか
還付を受けることのできる額は、供託した営業保証金の範囲内です。
したがって、常に債権の全額について還付を受けることができるわけではありません。
③還付を受けるための手続
営業保証金の還付を受けるためには、供託物払渡請求書を、直接供託所に提出しなければなりません。
後述する、弁済業務保証金の還付とは異なり、認証手続は不要です。
ちなみに、認証とは債権額の確認のことをいいます。
④営業保証金の不足額の供託
還付をすれば当然、供託している営業保証金に不足が生じます。
この場合、以下の手続により補充されます。
a. 宅建業者は、免許権者から不足の通知を受けた日から、2週間以内に不足額を供託しなければなりません。
b. 宅建業者は、営業保証金を供託したときは、供託書の写しを添付して、2週間以内に、その旨を免許権者に届け出ねばなりません。
備考:宅建においてこの章は重要です。