宅建業を開業しても廃業せざるを得なくなってしまった場合などについての解説です。
1.廃業の届出
宅建業を開業したが、様々な事情が発生したため、仕事をやめざるを得ない場合があります。
例えば、個人業者が死亡してしまった、または事業がうまくいかなかったなどの場合です。
しかし、このような事情は、免許権者にとっていちいち把握できるものではありません。
そこで、死亡、廃業などの事実が生じた場合は、一定の者を届出義務者とし、一定の手続きに従って、届出をさせることにしました。
届出事項 | 届出時期 | 届出義務者 | 失効する時期 |
死亡 | 相続人が死亡を知った日から30日以内 | 相続人 | 死亡のとき |
合併 | 合併の日から30日以内 | 消滅法人の代表役員であった者 | 合併のとき |
破産手続き開始決定 | 破産手続開始決定の日から30日以内 | 破産管財人 | 破産手続開始決定の届出があったとき |
解散 | 解散の日から30日以内 | 清算人 | 解散の届出があったとき |
廃業 | 廃業の日から30日以内 | 廃業した個人または法人の代表役員 | 廃業の届出があったとき |
2.免許の失効とすでに受けていた業務の取り扱い
①取り扱い
免許が失効した場合、すでに宅建業者が受けていた仕事はどうすればいいのでしょう?
もし、免許が失効した時点で宅建業が一切行うことができないとすれば、取引の相手方に損害を与える危険性を高めることになります。
そこで、宅建業法は、すでに宅建業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内では、一定の者を宅建業者とみなして、宅建業を行えるようにしました。
②宅建業者とみなされる一定の者
破産開始手続開始決定・解散・廃業の届出をした場合には宅建業者であった者が、死亡や合併による消滅の場合には、その一般承継人が、宅建業者とみなされます。
この一般承継人とは、死亡の場合には相続人、合併の場合には合併後に残る会社(または新設会社)のことをさします。
備考:宅建においてこの章は重要です。