8種類制限における手付金額の制限などについて解説します。
1.規定の趣旨
民法では、手付の授受があった場合には、原則として解約手付けであると推定しています。
しかし、そもそもこれは任意規定ですし、民法所、手付の金額について何ら制限はありません。
そこで、宅建業者は、手付による解除は認めないとの特約をつけてしまうことが考えられます。
また、手付の金額を非常に高額とすることで、買主としては後に解約したくとも手付を放棄するのがもったいなくて解除できないというように、買主の意思を拘束する方向で契約を結ぶことが考えられます。
このような事態に対処するため、宅建業法は、宅建業者が自ら売主となり、一般購入者との間で宅地・建物の売買契約の締結に際して手付を受領した場合には、その手付を解約手付としました。
また、手付金として受領する額にも制限を加えています。
2.制限の内容
①解約手付
宅建業者が、自ら売主となる宅地・建物の売買契約の締結に際し、手付を受領したときは、いかなる性質のものであっても解約手付の性質(買主が手付を放棄するか、売主が手付の倍額を償還することによる契約解除)が認められました。
②宅建業者が受領できる手付金額の制限
宅建業者は、自ら売主となる宅地・建物の売買契約の締結に際し、代金額の20%を超える額の手付を受領することはできません。
③特約
これらに反する特約は無効です。
なお、手付金額は20%を超える部分について無効となります。
備考:宅建においてこの章は重要です。