前の章で解説した賃借権の譲渡と目的物の転貸、今回はその方法についてのものです。
ここでもう一度例を考えてみましょう。
Aさん所有の建物について、AさんとBさんとの間で賃貸借契約が結ばれ、その後、BさんはCさんに対し、目的物であるその建物の賃借権を譲渡しまたは転貸した。 |
そして、Aさん、Bさん、Cさんの立場は、
Aさん:賃貸人
Bさん:賃借人、譲渡人、転貸人
Cさん:譲受人、転借人
となっております。
さてここで、Aさん(賃貸人)は、Bさん(賃借人)を信頼して物権を貸しているのに、勝手にCさんに使われたら、さすがに困ってしまいます。
そこで、このように賃借権の譲渡や目的物の転貸をするには、賃借人(Aさん)の承諾が必要となります。
この承諾というのは誰に対してすればいいのかと言うと、これはBさんでもCさんでも構いません。どちらでも有効です。
しかし、一旦意思表示をしてしまったら、たとえ賃借権の譲渡や目的物の転貸が行われる前であっても、一方的に撤回することはできませんので、注意が必要です。
備考:宅建におけるこの章の重要度は高めです。