借家:借地上建物の賃借人の保護および居住用建物の賃貸借の承継

この章では、宅建における借地上建物の賃借人が、建物賃貸人の借地権が消滅してしまった場合などに関してを解説します。

1.借地上建物の賃借人の保護

借地権の存続期間の満了によって建物賃借人が土地を明け渡すべきことは、建物賃借人が借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物賃借人の請求により、建物賃借人がこれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明け渡しについて相当の期限を与えることができます。

この借地上建物の賃借人の保護は、借地契約が借地権者の債務不履行によって解除された場合には適用されません。

 

2.居住用建物の賃貸借の承継

居住用建物の賃借人が相続人無しに死亡した場合、その者と事実上の夫婦、または養親子と同様の関係にあった同居者は、建物賃借人の権利義務を承継します

これは、同居者に借家権の承継を認め、その居住を保護するためです。

ただし、賃借権の承継は、居住用建物に限って認められるので、例えば、店舗など居住用建物以外の建物には、承継は認められません。

また、賃借人が相続無しに死亡したことを知った時から1ヵ月以内に、同居者が借家権を承継しないことを賃貸人に意思表示したときは、承継しません。

※事実上の夫婦とは?

これは婚姻届を届け出てない男女、つまり、内縁関係にある男女をさします。

※事実上の養親子とは?

これは、養子縁組届を届け出ずに、親子関係同然の生活をしている人々をさします。

 

備考:宅建においてこの章の重要度は高いです。 なお、借賃の増減額請求は地代の増減額請求と同じ考え方です。

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