そもそもまず宅建で自然人(しぜんじん)とは何を意味するのでしょうか?
自然人とは、私たち人間のことです。
権利を負ったり義務を負ったりできる者には、私たち人間の他にも、法律上、人と認められた「法人」があります。
だから、生身の人間をこの「法人」と区別するとき、特に「自然人」と言います。
そして、自然人が1人で完全に有効な契約をするためには、3つの必要な能力があります。
権利能力、意思能力、行為能力がそれです。
まず、権利能力について解説していきます。
権利能力とは、人と人の関係において権利を有し、義務を負担する主体となることのできる資格のことを言います。
権利能力がなければ、契約の当事者になることはできません。
そして、すべての人は、出生によって権利能力を取得し、死亡によって権利能力を失います。
ここで、権利能力といっても、何か知的な能力のようなものではなくて、権利を持つことのできる資格のことを述べておきます。
ここで、すべての人は出生によって権利能力を有するとなっています。
ということは、胎児には権利能力は認められないのか?
その答えは、原則としてYESです。
しかし、例外的に、次の3つに関しては胎児にも権利能力が認められます。
①不法行為に基づく損害賠償請求
②相続
③遺贈
たとえば、相続を認めないと、生まれた後その胎児だけ相続するものがないということになってしまいますから。
そういった不公平を無くすための取り決めだと私は考えています。
~権利能力の注意点~
・権利能力とは、権利を持つことができる資格のことである!
・すべての人は出生によって権利能力を有し、死亡によってそれを失う!
・胎児の場合、原則として権利能力は認められない。だが不法行為に基づく損害賠償請求、相続、遺贈については認められる!