債権と債務:金銭債務の特則

金銭債務とは、金銭を支払う義務のことを言います。

金銭債務の不履行は、金銭以外の債務とは異なる規定となっています。

 

1.要件についての特則

①金銭債務の不履行は、履行遅滞のみ(履行不能はなし)。

②履行遅滞の責任を問うためには、債務者の帰責事由は不要です。つまり、大地震でATMで振込みができなかったからといって、それは言い訳にしか過ぎず、履行遅滞の責任を負わなくてはなりません。

③通常の債務の不履行については、債権者が損害賠償を請求するには、損傷額を証明する必要があります。しかし、金銭債務の不履行については、債権者は債務不履行の事実だけを立証すればよく、その損害額を証明する必要はありません

 

2.効果についての特則

金銭債務の遅滞による損害賠償額は、原則として、法定利率年5分)によりますが、もしこれより高い約定利率が当事者の合意によって定められているときは、それによります。

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